夏休み2018 その1

 yuheipapaです。夏休みが終わりました。厳しい暑さの中で、ことしも悠平と一緒にあちこちに出掛けました。恒例の岩手への家族3人での墓参では、悠平が「平成最後の岩手旅行だね」と話すのを聞いて、大人びた話しぶりに少々驚きました。身長もぐんぐん伸びて160センチを超えているようで、もはや妻(yuheimama)は悠平と向き合って話すときは、仰ぎ見るようになっています。そう遠くないうちに、わたし(173センチ)にも並び、やがて追い越されるのではないでしょうか。
 一段と悠平の成長を感じたことしの夏休みの絵日記風の振り返りです。

▼プレ夏休み、箱根に家族で旅行
 7月の3連休を利用して家族3人で箱根に1泊旅行に行きました。実はわたしの勤務先で人事異動があり、それまでに比べてかなり静かな時間を過ごすことができる環境に変わりました。異動を機にわたし自身、少し骨休めをしようと思いました。
 箱根は小田急系列の乗り物がたくさんあって、「箱根フリーパス」を使えば、かなりお得に楽しめます。小田急ロマンスカー~箱根登山鉄道~ケーブルカー~ロープウエー~海賊船~バスと乗り継いで、主だった見どころを巡りました。
 箱根には以前、悠平が4歳の時に初めて家族で訪れましたが、なぜかこのときはロープウエーに乗るのを激しく嫌がり、ケーブルカーで引き返しました。3年前の夏には日帰りで悠平とわたしとで訪れたことがあり、このときは海賊船がお気に入りでした。今回、悠平は新型ロマンスカーGSE(70000形)がいちばんのお気に入りだったようです。

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 わたしは以前、日帰りの時に立ち寄った仙石原の長安寺が気に入っていました。曹洞宗のお寺で、境内の林の斜面にユニークな形相としぐさの羅漢の石像がいくつもあり、見飽きません。今回も再訪しました。以前訪ねた際、マンガ「天才バカボン」のバカボンのパパを思わせる石像があり、悠平と二人で笑いました。yuheimamaにも見せたいと思ったのですが、わたしも悠平も場所を思い出せず、探し当てることができなかったのが残念です。
 宿は露天風呂でヒグラシの鳴き声が聞こえる高原らしい立地でした。家族3人でのんびり一晩を過ごしました。

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▼成長に合わせてカメラも更新
 悠平は今まで、ニコンの子ども用カメラを使っていたのですが、成長に合わせてカメラも上級機種に変えることにしました。以前わたしが使っていたパナソニックのミラーレス一眼のルミックスを、悠平専用にしました。悠平は指の力が弱いこともあって、少し暗いところで撮った写真はどうしても手ぶれが目立っていました。今度のカメラは光をとらえる能力のISO感度も手動で設定することができるので、多少暗くても手ぶれが目立たない程度のシャッタースピードを設定することができます。
 悠平は自分ではそうした設定はできないので、わたしが操作するのですが、これまでパソコンでも何でも、わたしや妻の手の動きを目で見て覚えてきています。自閉児ならではの「目力(めぢから)」の強さです。たぶん、カメラもわたしの手元を見ているうちに興味を覚え、いずれは自分でできるようになるのではないかと期待しています。
 新しいカメラを手に7月最後の週末、東京都世田谷区の九品仏(くほんぶつ)浄真寺に行きました。大きな仏像が名前の通り9体あることで知られます。境内が広く、秋は紅葉がきれいなので、ほぼ毎年悠平と一緒におまいりに来ています。真夏は初めてでしたが、青葉が目に鮮やかで、猛暑の中で木陰は涼やかでした。
 悠平は新しいカメラに興奮気味で、さかんにシャッターを押していました。以下の4枚の写真のうち3枚目、4枚目は悠平が撮影した浄真寺の境内の一コマです。

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▼ハスとサルスベリ
 悠平と一緒に寺社巡りをするようになってから、季節それぞれの花を楽しむようになりました。暑いながらも夏には夏の花の楽しみがあります。8月に入って間もなく、悠平と一緒に東京・上野の不忍池(しのばずのいけ)にハスの花を見に行きました。
 ハスは早朝に開花して午後には花を閉じてしまうことや、猛烈な暑さが続いていたことから午前中、早めに家を出ました。それでも午前10時ごろにはもう、うだるような暑さでした。不忍池のハスは江戸時代のころから庶民に親しまれていたとのことで、寛永寺の弁天堂を望む水面一面に咲いたピンクの花がきれいでした。

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 ほどほどで不忍池を切り上げて、次はJRとバスを乗り継ぎ東京都調布市の深大寺に向かいました。深大寺は門前にそば屋が立ち並んでいることで知られます。今まで何度も来ているのですが、実は門前のそば屋さんに入ったことはありませんでした。幼少時は偏食が激しかった悠平ですが、長じるにつれていろいろ食べられるようになりました。中でも、しょうゆを基本にした和の味覚が大好きなようです。今ではそばは好きな食べ物の一つになっています。この日は冷やしたぬきそばを、つゆまで残さず完食しました。

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 深大寺にお参りした後に向かったのは徒歩数分の神代植物公園。大きなサルスベリの木が何本もあり、赤っぽい花が満開でした。屋外で過ごしているだけで熱中症になりそうな暑い日でしたが、やはりサルスベリの花は炎天下の下でこそ映えるように思います。広い公園内には武蔵野の面影も濃く残っている林もあり、四季それぞれの楽しみ方ができそうです。

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 次回に続きます。 

やっぱりお金は難しい

 妻(yuheimama)です。長かった夏休みがもうすぐ終わります。今年は放課後等デイサービスに週3回通所し、合間合間にクリニックのOT(作業療法)や、映画やカラオケといったイベントを入れたため、本人にとっては充実した、母にとってはこれまでより気が楽な休みとなりました。

 夏休みには学校から宿題プリントが出されました。国語では漢字、算数では計算、簡単な文章題、お金です。いずれも復習中心の内容だったため、放デイで取り組む宿題として活用しました。お金の学習はこれまでにも繰り返し取り組み、1円玉、5円玉、10円玉、50円玉、100円玉を組み合わせたイラストから、金額を正しく数えられるようになりました。先々のステップとして考えられるのは、複数の物を買ったときの合計金額を出すことや、金額に合わせて必要なお金を支払うことです。合計金額については、算数で大きな数の計算をまだ練習していないため、後回し。試しに取り組んだのが、金額に合わせて必要なお金を考える課題です。

 例えば1本75円のガリガリ君。50円玉1個では買えませんが、100円玉1個や500円玉1個なら買えます。これに正答するには、硬貨の金額を正しく把握するスキルと、金額の大小を判断するスキルが必要です。さて悠平は…。f:id:yuheipapa:20180829115549j:plain

  50円玉で「買える」、100円玉と500円玉では「買えない」と答えてしまいました。たぶん、当てずっぽうです。答え合わせをするときには、硬貨を使って確認しましたが、理解へのハードルは高そうです。

 数字については、順番としての数を覚えることは容易でも、目に見えない数量を理解するのは難しいようです。足し算の暗算ができるまでに長い時間がかかったことが思い出されます(過去記事の「算数あれこれ」を参照ください)。

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 お金も金額が意味する量、価値を理解するのが難しい。これからどんなアプローチが悠平に有効なのかを考えていかなくてはなりません。

 知的障害があり、お金の理解に困難があると、例えばコンビニで買い物をするたびに1000円札を出して、月末にはおつりの小銭で財布がパンパンになってしまうというエピソードを聞いたことがあります。大人になったとき、お金については理解度に応じて、紙幣やプリペイドカードで払うというやり方もありだと思います。ただ、悠平はまだ小学生なので、もう少し学習して、硬貨も使えるようになればと思っています。

 夏休み中、悠平は放デイの社会見学で鉄道博物館(さいたま市)に連れて行っていただきました。ミュージアムショップで買い物ができるよう、お小遣いは奮発して1000円。1000円札を自分でたたんで財布に入れさせました。お札をたたむのはたぶん人生で初めて。折り方も伝授しました。「1000円札だと、何百何十何円っていうものなら買えるからね」と言ってお見送り。お土産は500円で買った新幹線のミニチュアでした。連絡帳を見ると、「自分一人でレジに行って会計をすますことができました」とのこと。新幹線を箱から出して、ニコニコしている悠平を見ながら、悠平がスムーズに買い物ができるよう、もうひと頑張りしなくてはと意を新たにしました。親子の挑戦は続きます!

命の輝き感じる岩手・花巻「るんびにい美術館」

  妻(yuheimama)です。お盆に3泊4日で、岩手・宮城・山形を訪れました。目的は悠平の祖父母の墓参、親戚へのあいさつ、そして観光です。悠平は、以前にも紹介した通り、芸術家・岡本太郎先生のファンです。

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 アートに関心があるのならと、今回は岩手県花巻市にある「るんびにい美術館」を見学することにしました。

 「るんびにい」という不思議な響きを持つ言葉、調べてみると、お釈迦さま誕生の地のことだそうです。るんびにい美術館では「命の輝きとの出会い」をテーマに、主に知的障害のある作者たちによる造形作品を展示しています。作品は、絵画、焼き物、刺し子など、どれも型にはまらないユニークな表現ばかりです。例えば玄関に脱ぎっぱなしにした靴そのもの、といった印象の焼き物や、布が波打つほどに名いっぱい刺繍を施した刺し子など、通常の美術展ではお目にかかれない作品が並んでいました。また、写真で紹介されている作者の着ている服を見ると、不揃いの赤い丸が数えきれないほど描き込まれています。これは何だ?と思ったら、作品名に「イクラのパジャマ」と書かれていました。どの作品も「お手本」や「正しいやり方」を習ったのでは生み出されなかったであろう、表現の力を感じさせるものばかりでした。

 美術館内の写真撮影はOKだったのですが、作品の接写は不可ということで、ここに紹介できないのが残念です。掲載した写真で館内の雰囲気は伝わるかと思います。悠平も持参したカメラで作品の写真をたくさん撮影していました。

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  障害者アートというと、最近では「アール・ブリュット」「アウトサイダー・アート」という言葉が使われることが多いのですが、こちらの美術館では、命にはアウトサイドもインサイドもなく、あらゆる境界線を越えて広がっているという考えから「ボーダレス・アート」という呼び方をしています。命や生き方を価値付けしようとする風潮がある中で、「ボーダレス」を謳う美術館の姿勢、そしてひっそりと、でも強烈に存在感をアピールする作品群に、私は確かに命の輝きや強さを感じました。願わくは、悠平の心にもその輝きが届きますように。

 

るんびにい美術館 https://kourinkai.net/museum-lumbi/index.html

高度な迷(?)解答

 妻(yuheimama)です。1学期が終わり、夏休みが始まりました。1学期の学習を振り返ると、算数で筆算での足し算に苦戦したことが思い出されます(「筆算も視覚アプローチで」を参照ください)。その後、悠平仕様の学習法を駆使しながら、量をこなすことによって理解が進みました。夏休みには、宿題として計算プリントが出されました。国語では、漢字練習と基本的な文法・読解問題に取り組んできました。夏休みの宿題でも漢字プリントが出されています。
 

 読解問題では、1学期終盤に「お~!」と驚く出来事がありました。

本文)海の水をなめてみよう。あ、しょっぱい。どうしてだろう? それは海の水の中にいっぱいしおがはいっているからだよ。
問題)海の水の中にはなにがはいっている?

 答えはもちろん「しお」。が、悠平の答えは「みねらる」でした! これはこれで正解です。なんと高度な名(迷?)解答。採点した先生は「みねらる」に〇を付けた上で、私宛てに『「文には何て書いてある?」と聞くと、「しお」と答えていました』と書き添えてくださいました。

 カタカナを習った後も、ひらがなで「みねらる」と書いてしまうあたりが、微笑ましいのですが、それより何より、どこで海水にはミネラルが含まれると学習したのやら。幼少のころは、自閉症の悠平には、何事も意識して教えていかないと身につかないと躍起になったものですが、少しずつ、少しずつ、学ぶ力をつけてきたのでしょう。嬉しく思うと同時に、悠平の親離れが始まっているようにも思えて、ちょっとばかり切なくなりました(大げさでしょうか…?)。

 とはいえ、長~い夏休み。放課後等デイサービスに通所する以外は、四六時中一緒です。きっと、「留守番できるようになってくれないかしら」「一人で外出できるようになればいいのに」などなど、さらなる自立を願うことでしょう。揺れる母心はしばし封印。一つでも悠平が自分でできることを増やしていけるよう、この夏休みも取り組んでいきたいと思います。

夏の始まりは富士山

 yuheipapaです。タイトルに「富士山」と書きましたが、実はミニチュアの富士山、「富士塚」のことです。富士山は信仰の対象として知られますが、江戸時代は庶民がそう簡単に登れるわけではなく、江戸の町や近郊のあちこちに富士塚を作って富士登山の代わりとしたそうです。念の入ったことに、富士山から運んだ溶岩で覆われているところが多いようです。現存する富士塚の中には、本物と同じく7月1日に山開きをし、1年のうちでこの日だけ登ることができるところもあります。そうしたことを知って去年、今年と、たまたま7月1日が週末に当たっていたこともあり、悠平と一緒に東京の富士塚の山開きを巡りました。

※ウイキペディア「富士塚」
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%8C%E5%A3%AB%E5%A1%9A

 ことしまず訪ねたのは練馬区の「江古田富士」。西武池袋線で池袋から三つ目の江古田駅で下車、すぐそばにある江古田浅間神社の境内にあります。国の重要有形民俗文化財に指定されています。直径約30メートル、高さ約8メートルとのことですが、実際に行ってみると、小山全体がこんもりと木に覆われており、うっそうとした林の印象です。天狗や猿の石像もあって、厳粛な信仰の場であることを実感しました。

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【写真】江古田富士の頂上から麓を望む

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【写真】江古田富士の中腹を登る悠平

 次は池袋へ出て、東武東上線に乗り換えて二つ目の下板橋駅から徒歩で10分足らず。池袋氷川神社の境内にある「池袋富士」へ行きました。こちらは高さ約5メートル、すそ野は南北に幅約18メートルの大きさです。木がなく溶岩がむき出しで、山容がよく分かります。好天だったこともあり、江古田富士とは違った「陽」の明るい印象でした。

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【写真】池袋富士の登山道に並ぶ参拝者

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【写真】池袋富士の山頂から

 昨年の山開きでは台東区下谷の小野照崎神社にある「下谷坂本富士」、文京区本駒込の駒込富士神社、北区中十条の十条富士塚にお参りしました。駒込富士神社は富士塚の上に神社の本殿があります。駒込富士神社、十条富士塚は山開きの日だけでなく、1年を通じて登ることができますが、6月30日と7月1日は祭礼で、境内や周囲に露店も出て大にぎわいでした。

 年間を通じて登れる富士塚はほかにもあります。品川区北品川の品川神社にある品川富士は都内有数の規模。頂上からは京浜急行の電車がよく見えます。渋谷区千駄ヶ谷の鳩森八幡宮では、境内の千駄ヶ谷富士登山の御朱印もあります。

 今回の記事は、何だか観光案内のようになってしまいました。

「変身」にまつわる幾つかの出来事

  妻(yuheimama)です。6月は悠平の誕生月。悠平、12歳になりました。昨冬のクリスマスプレゼントでの仮面ライダー変身ベルトに続き、誕生日プレゼントに変身ベルトのオプションパーツをリクエストした悠平。「変身」ブームが止まりません(クリスマスプレゼントについては「年末は仮面ライダーとともに」を参照ください)。

  悠平の誕生日は6月下旬なのですが、「6月になったらプレゼント用意してあるかも」と思ったらしい悠平は、6月に入るや否やクローゼットの中を物色。すぐにプレゼントを見つけてしまいました。悠平は、「お母さん、プレゼントあった!」とうれしそう。「やられた…」と思いつつ、私は「お誕生日まで、待てる?」と尋ねました。悠平は当然のごとく「待てない」と返答。教育的指導としては「我慢させる」のが正解だったのかもしれませんが、お祝いの品を手にしてニコニコしている悠平の顔を見てしまい、母、少し甘くなってしまいました。「今日、(プレゼントを)開けちゃったら、お誕生日の日にはプレゼントないけど、いい?」と確認すると、「いいよ~」との返事。結局、3週間以上早く、プレゼントをわたすことになりました。悠平は「一足お先に、ハッピーバースデ~」と、自分で自分にお祝いしながら大はしゃぎ。その日一日、変身ベルトにプレゼントの「ハザードトリガー」を装着して変身しまくったのは、言うまでもありません。

 

仮面ライダービルド DXハザードトリガー

仮面ライダービルド DXハザードトリガー

 

 

  6月中旬、悠平が利用する福祉サービスのコーディネートをする相談支援員の家庭訪問がありました。今年から担当者が変わり、私も悠平も初顔合わせです。訪問時、玄関先であいさつをすると、悠平は自室に直行。その後、リビングで相談支援員と私が話をしていると、変身ベルトを装着した悠平が、ベルトグッズを持参してやってきました。「では、変身してみます」――周囲の状況をまったくわきまえず、変身デモンストレーションを始めてしまいました。私は少々焦りましたが、相談支援員は慣れたもの。自閉症積極奇異型の、空気を読まない一方的なかかわり方を見て取りながら、サービス精神旺盛な(?)悠平の性格も、笑顔で受け止めてくださいました。

  相談支援員とはこれから長いお付き合いになります。軽くない知的障害やコミュニケーションに困難がある自閉症がある場合、サービス利用にも親の意向が強く出てしまいがち。将来に向けて、少しでも悠平の意思・選択を尊重できるよう、支援員の方と悠平との直接のかかわりを大切にしていきたいと思いました。

 最後は親戚の結婚披露宴でのエピソード。新婦が親戚のお姉さん、初顔合わせの新郎は電車の運転士さんです。披露宴会場の入り口にはプラレールが走り、出席した子どもたちには新郎が運転する豪華特急列車のプラレールがプレゼントされました。悠平、肌身離さずプラレールを抱えていました。途中、着物姿の新郎新婦がお色直しのため退場。再び会場のドアが開き、ドレスとタキシードに着替えた新郎新婦にライトが当たると、悠平は一言「変身した!」。――笑顔で横切る新郎新婦の姿に「うわ~、きれい」「かわいい~」と盛り上がる会場をよそに、私は「結婚式で衣装を着替えるのは、お色直しって言うんだよ」と真面目に説明しながら、笑いを禁じえませんでした。

  毎週日曜日、『仮面ライダービルド』を観ています。いろいろなフォームに変身していく仮面ライダーを悠平と一緒に楽しみながら、「一番楽しみなのは、君がどんな大人に変身していくかだよ、悠平」と心の中でつぶやく母でありました。

ラーメン開眼

 yuheipapaです。
 悠平は食べ物については保守的で、以前は味や舌触りが分かっている食べ慣れたものしか口にしようとしませんでした。それが最近は、わたしが「チャレンジしよう」と言いながら勧めたら、とりあえず一口かじってみる、ということが増えてきました。そうやって食べられるようになってきたものの一つはラーメンです。
 以前の記事で紹介しましたが、今年春に千葉県君津市に九州ラーメンを食べに行った際には、当初は悠平もラーメンにチャレンジしてみるつもりでいたのですが、結局は食べ慣れたチャーハンになりました。

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 ラーメンへのチャレンジはそれから間もなくでした。西武池袋線沿線のお寺を訪ねに出掛けたある日曜日、昼食を練馬区の江古田駅前で取ることとしました。実は江古田にはわたしが大学生のころに気に入っていたラーメン屋さんがありました。何十年ぶりかで訪ねてみたのですが、駅前の一角にお店は健在。味も舌の記憶と寸分の違いもありませんでした。この店のラーメンはスープは薄口の醤油味ですが、大量のイリコから出る魚介風味が最大の特徴です。これが和の風味が大好きな悠平には良かったのでしょうか。悠平には別に半チャーハンもあったのですが、お椀に麺とスープ、一切れだけ入っていたチャーシューもつけて取り分けてやると、黙々と食べました。「おいしい?」と聞くと、返ってきた言葉は「おいしい」と一言だけでしたが、箸を止めずに一気に食べたところを見ると、気に入ったようです。
 その後も外出中の食事では時折、中華系のお店に入り、わたしがラーメンを頼んで悠平に取り分けるようになりました。いずれも悠平は「おいしい」と言って食べていますが、最初に食べた魚介風味の一杯は特に気に入ったようです。江古田のこのお店の支店と言えばいいのか、同じ店名でメニュー構成やラーメンの特徴が全く同じ店がJR中央線の高円寺駅近くにあるのをネットで見つけました。ちょうど、高円寺で昼食を取る外出計画を立てているときでした。悠平に「この間のラーメン屋さんと同じラーメンがあるよ」と言うと、「ここがいい」と二つ返事。ほかにも悠平が好きなカレー屋などもあったのですが、迷うことはありませんでした。初回と同じように、ラーメン一杯を2人で取り分けで食べ、悠平はほかに半チャーハンも。悠平はやはり無言で箸を動かし、満足した様子でした。
 実は、わたしは体重など健康面の理由から、ここ数年はラーメンは控えるようにしていました。悠平に分けてやることで、わたしの食べる量を減らすことができます。父子で一杯のラーメンを分け合って、ともに満足ですが、いずれ悠平もちゃんと1人前を食べるようになるでしょう。その時にわたしはどうするか。ちょっとした悩みになっています。

 以下は、これまでに悠平が食べたラーメンの一部です。

【江古田のラーメン】
 記念すべき一杯です

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【高円寺のラーメン】
 江古田のラーメンとまったく同じです 

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【自宅近くの中華屋さんのラーメン】
 鶏ガラスープの東京ラーメン。麺がおいしい 

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 悠平に取り分けです。チャーシューは食べますがナルトはいつも「いらない」

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 タンメンも「おいしい」と言って食べました

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