進化する「父子乗り鉄」

 yuheipapaです。
 新型コロナウイルスの感染拡大で、悠平と一緒の外出は以前のようにはできませんが、悠平が出不精にならないよう、外での食事は控え、人出の多い繁華街は避けたりなどの工夫をしながら続けています。もちろん、マスク着用です。
 以前は外出の予定作りはわたしが行っていたのですが、最近は大きく変わってきています。まず、悠平が自分で乗りたい路線、電車を選びます。どこで覚えたのか、ネットで目指す車両の運行ダイヤまで調べています。どうやら当日の各鉄道会社の車両の運用が分かるサイトがあるようです。休日の前日、「悠くん、明日は何線に乗りたいの?」と尋ねると「考えておくよ。明日の運行予定を見て決める」との答えが返ってきます。一夜明けて、自分のパソコンに向かっていた悠平から「決まりました! きょうは○○線の○○系電車に乗ります! ○○駅を○時○分発です!」との報告があります。それを聞いてわたしが、その電車に乗ってどこに行くか、具体的な行き先を決める、といった具合です。
 大まかな行程が決まると、悠平は自宅の最寄駅から目的地までの乗り換えや接続まで調べ、鉛筆を手に自分で詳細な予定表を作っています。
 抽象的な話が苦手な悠平のために、視覚で予定が把握できるようにと、外出時の行動予定表を作り始めたのは悠平が5歳ぐらいの時だったと思います。食事を何時ごろにどこで取るかまで入れていました。一度、予定表に昼食のことを入れなかったところ、何時になっても悠平が頑として店に入るのを拒否し、泣く泣く昼食を抜いたこともありました。急な予定変更にスムーズに対応するのも難しいため、どうなるか分からない予定には、「~かもしれない」という一言も付けるようにしていました。「お昼ごはんは、おそば屋さんかもしれない」といった具合です。
 交通手段の乗り継ぎを調べ、昼食時はどの辺にいて、周囲にはどんな店があるかまで、ネットで検索する作業は結構大変で、1回の外出のために数時間かけて予定表を作ったりしていました。それを今は悠平が自発的に自分で書くようになりました。yuheimamaによると、これまでの予定表の積み重ねがあってこそのことのようです。「続けてきて良かったなあ」と、感慨深いものがあります。

f:id:yuheipapa:20210404120723j:plain

 先日の悠平のリクエストは、JR中央線の209系快速電車でした。東京駅から立川や青梅、高尾方面に走っているオレンジ色の帯の路線です。主に233系という電車が運用されているのですが、悠平によると、233系にグリーン車を連結する改造が行われており、電車が足りないために、以前、常磐線から東京メトロ千代田線への乗り入れに運用されていた209系が“援護”に入っているとのこと。ひと言で言えば「中央線のレア車両」ということのようです。わたしも鉄道は嫌いではなく、首都圏の各鉄道についてもニュースで報じられていることならおおむね押さえているのですが、ここまで細かい話は知りませんでした。わたしが思っている以上に、悠平は本格的な鉄道マニアに育っているようです。
 この日は、三鷹駅から中野駅まで209系快速に乗ることにしました。三鷹は作家太宰治が住んでいた街です。三鷹駅から線路沿いに歩いて10分ほどの場所に、太宰もよく散歩していたという跨線橋が残っており、中央線の線路をまたいでいます。老朽化が激しく取り壊されるかもしれない、との話があるようで、そうなる前に見に行きたいと思っていました。訪ねてみると、真下に三鷹車両センターがあり、電車が何編成も止まっているのがよく見えました。悠平も気に入ったようでした。

f:id:yuheipapa:20210404120805j:plain

f:id:yuheipapa:20210404120829j:plain

f:id:yuheipapa:20210404120854j:plain
 跨線橋を堪能した後は三鷹駅に戻り、209系快速に乗って中野駅で下車。中野~東中野~新井薬師界隈のお寺をいくつか訪ねました。その中の一つ、萬昌院功運寺という寺には、「忠臣蔵」で名高い赤穂浪士に討ち取られた吉良上野介義央の墓所があります。

f:id:yuheipapa:20210404120943j:plain

 寺は、元は市ヶ谷にあったそうですが、この地に移転し、墓所も改葬されたとのことです。江戸城内で吉良を切りつけ切腹となった赤穂藩主の浅野内匠頭や、吉良邸に討ち入った大石内蔵助ら浪士の墓は東京・港区の泉岳寺にあり、いつも参拝・見学客が絶えないのですが、吉良の墓はほかに訪ねる人もなく、ひっそりとしていました。

 以下は、今年に入って悠平がリクエストした車両の数々です

▽JR総武線快速E235系1000番台
 山手線の車両の中距離通勤電車バージョンです。山手線にはないグリーン車やトイレがあります。

f:id:yuheipapa:20210404121016j:plain

 

▽千葉ニュータウン鉄道9100形
 京成線、都営地下鉄浅草線、京浜急行線に乗り入れて羽田空港まで走っている電車です。デビューは1994年と古いのですが、悠平は乗ったことがありませんでした。

f:id:yuheipapa:20210404121045j:plain

 

▽京浜急行1000形ドレミファ・インバーター
 発車の時に「ドレミファソラシ~♪」という音程の独特の機械音がする電車です。悠平によると、1000形は順次改造され、この音がする車両は1編成だけになっているそうです。悠平はこの発車音も動画に収めました。

f:id:yuheipapa:20210404121122j:plain

 

▽小田急5000形
 小田急線の最新型車両

f:id:yuheipapa:20210404121221j:plain

 

▽東京メトロ副都心・有楽町線17000系
 東京メトロの最新型車両。旧式化した7000系と順次置き換えが進むそうです。小田急の5000形もそうですが、最近の新型私鉄車両は丸みを帯びた顔つきが主流のようです。

f:id:yuheipapa:20210404121252j:plain

 

▽東京メトロ東西線07系リニューアル車
 以前は有楽町線を走っていた07系を東西線に転用し、照明をLED化。車内にトレインビジョンを設置しました。

f:id:yuheipapa:20210404121321j:plain