時間の学習も視覚支援で

 妻(yuheimama)です。高等部に進学し、社会生活で生かせる学習を以前より強く意識するようになりました。最近は時間の学習を継続しています。

yuheipapa.hatenablog.com

 ある日のこと…

母「1分は何秒?」

悠平「60秒」

(母:お~、60進法を分かってる!)

母「じゃあ、2分は何秒?」

悠平「200秒」

母「えっ!!!」(→分かってなかった…)

 単位の換算はややこしく、特に時間の場合は60進法なので、難易度が上がります。分からないままでも日常的にそれほど困らないかなぁと思いつつ、分かるに越したことはないので、まずはやってみることにしました。問題は教え方です。

「1分は60秒だから2分は60秒×2で120秒、3分の場合は60秒×3で180秒だよ」と教えた場合、その場では回答できても、3日後には確実に忘れます。目に見えない概念理解が難しいため、なぜ掛け算が必要なのか、言葉で説明しても分かりにくいのです。そこで、目で見て理解しやすい視覚支援の仕方を考えました。

 まず、無料で利用できるネット上の学習サイトから、針が書かれていない時計の図をプリントアウト。1枚には「1分=60秒」、もう1枚には「1時間=60分」と赤字で書き入れ、さらに何も書いていない時計を数枚用意しました。それらを用いて「1分は60秒だね。じゃあ、2分は60秒が何個分?」と、赤字入りの時計1枚と何も書いていない時計1枚を悠平の前に並べました。すると悠平「60秒が2つだから、120秒」と正解できました。「じゃあ、3分は?」と尋ねると、「60×3で180秒」と答えることができました。時間と分の単位換算の問題にも取り組み、何日も類似問題を繰り返しました。次に「1分30秒は何秒?」と応用問題を出題すると迷っていましたが、時計の半分に斜線を描いた図を見せると、1分=60秒に30秒を足せばよいということに気が付きました。こうして、分から秒、時間から分への単位換算はできるようになりました。

 次に秒から分、分から時間への換算に挑戦です。まず、「300秒は何分だろう」と問いかけたもののピンとこない様子。そこで時計の図を1枚ずつ、「60秒、120秒、180秒…」と一緒に声に出しながら机に並べていき、300秒になった5枚目で止めました。「60秒が5つで300秒だね。これって何分?」と尋ねると、「5分」と答えられました。「じゃあ、300秒は60秒が何個分って考えると?」と、5枚の時計を指さしながら問いかけると、「300÷60で5!」と正解できました。こうして類似問題を繰り返し、最近では、分から秒、秒から分等の問題を混在させても、解けるようになってきました。

 時間の単位換算ができると、乗り物好きの悠平が電車の所要時間を計算したり、好きなテレビ番組の2時間スペシャルや2時間半スペシャルを120分収録できるDVDディスクにダビングできるかどうかを自分で判断できるようになるのではと思います。

 悠平が5歳の時に家庭療育を始めてから早12年。時折、「私はいつまで悠平の家庭教師を続けるのだろう」と思ってしまうのですが、悠平が少しでも「できた」「分かった」という体験を積み重ねられるよう、その先にある生活が充実したものになるよう、もう一頑張りしなくてはと気持ちを新たにしています。