雨上がりの出来事

 妻(yuheimama)です。ある日曜日、悠平はyuheipapaとお出掛け。降り出した雨が本降りとなり、予定より早めに帰宅しました。玄関でぐしょぐしょに濡れたスニーカーを脱ぐと、悠平は出迎えた私に「靴、洗っておいて!」と言いました。私は、かなり履きこまれたそのスニーカーを見て、「そろそろ引退でもいいかな」「先日買った、ワンサイズ上のスニーカーと替え時かな」と考えました。スニーカーを洗う前に、新しいスニーカーが大きくないか試し履きをさせて、最終的に決めることに。悠平はというと、スニーカー同様に濡れて足に密着した靴下を引っ張りながら脱いで洗濯カゴへ。試し履きは翌日に持ち越しとなりました。
 月曜日の夕方、帰宅した悠平は玄関に入るなり「靴、洗っておいてって言ったでしょ!」と、怒りモード。視線を落とすと、悠平が履いていたのは日曜日に濡れた、洗わないままのスニーカーでした。私が「湿ってた?」と尋ねると、「うん、湿ってた」と悠平はムスッと答えました。部屋に入ってから、新しいスニーカーの試し履きをさせ、翌日からスニーカーをチェンジ。濡れたスニーカーは引退させ、一件落着となりました。
 それにしても悠平の怒りモードのクレームには驚きました。かつてのパニックとは明らかに調子が違います。最近、行動切り替えのために声を掛けても、自分のペースを変えずにだらだらとしたり、こちらが「手伝おうか」と言葉を掛けても「いや、自分でやる」と言うことが多くなりました。さらに先日、自分の手の平と私の手の平を合わせて大きさを比べると、ほとんど同じ大きさであることを確認して「僕、大人っぽくなった」と一言。「大人っぽい」という言い方は微妙ながら、自分の成長を悠平自身、自覚しているようです。こうした言動は成長の証であり、反抗期の予兆なのかもしれません。
 私にとってはうれしくも、先々がちょっと不安な反抗期への移行。とはいえ、濡れたスニーカーを脱いで別のスニーカーを履こうとは思い至らなかったねと、時折見せる悠平のあどけなさに苦笑したのでありました。

「花まつりと甘茶巡り」の1日

 仏教で4月8日はお釈迦様の誕生日とされています。そのお祝いの行事を「灌仏会(かんぶつえ)」と呼んだり「降誕会(ごうたんえ)」「仏生会(ぶっしょうえ)」と呼んだりします。ごく平易には「花まつり」と呼ぶようで、一般にはこの呼び名がなじみやすいかもしれません。
 悠平と2人で休日の寺社巡りを本格的に始めたのは2011年のことでしたが、花まつりのことを知ったのは2年ほど前、最近のことです。ことしの4月8日は日曜日だったので、思い立って悠平と一緒に東京の花まつり巡りに出掛けました。
 東京都港区芝の増上寺でもらった説明の紙片によると、花まつりのいわれは、以下のようです。

 「はなまつり」とは、お釈迦さまの誕生をお祝いする行事です。
 今からおよそ2500年前の4月8日に、ルンビニーでお釈迦さまはお生まれになりました。お生まれになったお釈迦さまはその場で7歩お歩きになり、天と地を指さして「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」とおっしゃいました。「今、こうして受けたこの命はみなそれぞれ尊く、素晴らしいものだ」とお説きになられたのです。
 その時、降誕に感動した竜王が空から甘露の雨を降らせ、周りの草木が一斉に花開き、人や動物や全ての物がお釈迦さまの誕生をお祝いしたという伝説にならい、花で飾られたお堂におまつりされた、天と地を指差しているお釈迦様の像に甘露の雨を模した甘茶をおかけしてお祝いするのです。

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【寛永寺 両大師堂】

  回ったのは池上本門寺(大田区)、芝の増上寺(港区)、御徒町の摩利支天徳大寺(台東区)、上野公園の寛永寺清水観音堂、寛永寺両大師堂(台東区)の5カ所です。花で飾られた小さなお堂を「花御堂(はなみどう)」と呼びます。中に置かれた天と地を指差しているお釈迦様は「誕生仏」と呼びます。周囲には甘茶が満たしてあり、小さなひしゃくですくって誕生仏にかけた後、手を合わせます。終わった後には、甘茶をいただきます。
 悠平もわたしも、甘茶がすっかり気に入りました。アマチャヅルとカンゾウという甘味料としても使われる植物が原料です。砂糖とは違ったほんのりとした甘みが口の中にじんわりと広がります。だいたいどこのお寺も、冷ましてから出していましたが、熱いうちにポットに移して出しているお寺も1カ所ありました。熱い方が甘みが強く感じられたような気がします。
 悠平は最初の池上本門寺で甘茶をいただき、一口ですぐに気に入ったようでした。お寺から次のお寺へ向かう間、「甘茶あるかなあ」「次のお寺でも甘茶を飲みます!」と、本当に楽しみな様子でした。手先が器用ではない悠平は、ひしゃくを持つ手はぎこちなく、甘茶もうまくお釈迦さまにかからないのですが、一生懸命に取り組みました。
 結局、花御堂を5カ所でお参りし、甘茶も品切れになった最後の両大師堂以外の4カ所でいただきました。“花まつりと甘茶巡り”の1日になりました。

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【池上本門寺の参道沿いにある鬼子母神堂】

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【誕生仏をクローズアップ】

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【増上寺】

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【摩利支天 徳大寺】

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【寛永寺 清水観音堂】

 上野公園にある寛永寺の清水観音堂には、びんずる(賓頭盧)尊者のストラップ式のお守りがありました。びんずる尊者はお釈迦様の高弟の羅漢の1人。「なで仏さま」「おびんずるさま」などと呼ばれる木像があちこちのお寺にあり、自分の体の悪いところと同じ部位をなでると効用がある、とされています。悠平は寺社巡りを始めた当初から、びんずる尊者が大のお気に入り。「悠くん、びんずるさんのお守りがあるよ」と声を掛けると、目にするなり即座に「買う!」。健康のお守りとして、身に着けています。

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【びんずる尊者】

筆算も視覚アプローチで

 妻(yuheimama)です。足し算の練習を続けている悠平。先日来、筆算に挑戦しています。筆算は、2ケタ以上の繰り上がりを学習するために必要なステップです。果たしてその結果は?

 

 その1)宿題プリント。なんと、筆算を無視して計算してしまいました。答えは合っていたんですけどね。 

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 その2)家庭学習プリント。左に書かれている横書きの式を、まず、筆算に書き直します。が、ここで問題が! 思いもよらなかったことに、数字を縦書きにしてしまいました。

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 一の位と十の位は理解していると思っていたのですが、「2つの関係」が苦手な悠平は、横書きの式と筆算が同じ意味であることが分からなかったのかもしれません。もしそうであれば、言葉で説明を尽くしても混乱するばかり…さて、どうしたものか。

自閉症児は視覚優位なので、目で見て分かる方法を考えました。それがこちら↓。横書きの式の数字をカードにして、筆算に移動させることにしました。目で見て、手で操作。

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 これには悠平、大喜び! すぐに正答して、「もっとやりたい!」とリクエストまで飛び出しました。カードづくりは少々面倒ですが、慣れるまでこれを繰り返し、横書きの式と筆算の関係をパターン認識させることで、「2つの関係」の理解を促していきたいと思います。

 

 悠平の場合、算数を教えるのには、ワンステップごとに工夫が必要。毎度、頭を悩ませますが、百の位、千の位の足し算ができるようになれば、実生活でお金の理解が深まるはず。生活力の向上を目指して、悠平と二人三脚、まだまだ頑張ります。

初対面の大人と一緒でも大丈夫

 yuheipapaです。
 4月2日は世界自閉症啓発デーです。悠平が発達障害の告知を受けるまで、この日があることをそれほど意識はしていませんでした。そうしたかつての自分をも振り返りながら、自閉症とはどんな障害なのか、その知識が社会に広がってほしいと今は願っています。

 さて、休みの日はなるべく悠平と一緒に外出するようにする習慣は今も続いています。乗り鉄にしても巡礼にしても、父子の二人旅が中心なのですが、ふと、わたしの知人も加わって、つまり悠平から見れば知らない大人も混じってのグループ行動を経験させてみてはどうかと思い付きました。yuheimamaとも相談。この春から悠平もいよいよ6年生です。社会性を身に着けるトレーニングにもいいかもしれない、ということで実行することにしました。
 最初はわたしの10数年来の知人のYさん(男性)。仕事の関係でたまたま知り合い、同じ福岡県の出身で子どものころは非常に近い場所にいたことが分かり、以来、親しい付き合いが続いています。悠平の発達障害や知的障害のことも、早くから伝えていました。そのYさんと、千葉県君津市にある九州ラーメン店に、本場のラーメンを食べに行くことになり、悠平も連れて行くことにしました。
 なぜ君津で九州ラーメンかと言えば、1960年代に八幡製鉄(その後、新日本製鉄、現新日鉄住金)が君津に製鉄所を建設した際、福岡県北九州市の八幡製鉄所から多くの社員、家族が移り住みました。彼らを追うようにして、北九州から移り住んだ飲食店も少なくなかったようで、その中に今も続くラーメン店もあるようです。
 計画を相談するうち、Yさんが悠平の乗り物好きを察してくれて、レンタカーを調達して、九州ラーメンの食事の後は近隣をドライブすることになりました。既に何度か「悠くん、今度、お父さんのお友だちと千葉にラーメンを食べに行こう」と声を掛け、悠平も「うん、行くよ」と答えてはいたのですが、日程の詳細を決めた後で「ラーメンを食べたらレンタカーでドライブだ」と告げると、悠平は大喜び。さっそく「レンタカーは何ですか」と、車に疎いわたしにはよく分からないのですが、車種を次々に口にしました。悠平が喜んでついてくるだろうとの作戦は当たりました。
 さて当日、君津の隣りの木更津まで高速バスで行き、Yさんと落ち合いました。事前に何度も練習していた通りに「初めまして、悠平です。いつも父がお世話になっています」とすらすらとあいさつを口にすることができました。ただし、意味はよく分かっていないだろうと思いますが。
 移動の車中では、わたしとYさんが主に話している中で、悠平はと言えばレンタカーの乗り心地を楽しんでいるようで、まったくパニックを起こすこともなく静かに過ごしていました。目指すラーメン店は行列が当たり前の評判店で、昼食時より少し早めに着いたのですが既に行列。並んで間もなく、悠平が「遅いねえ」「まだあ?」とぐだぐだになり始めましたが、何とかパニックに至る前に席に着くことができました。わたしとYさんは予定通りラーメンを注文。悠平もラーメンにチャレンジする予定だったのですが、やはり食べなれた物の方が安心するのか、最終的にチャーハンに変更。餃子も頼みました。大人1食分のチャーハンを見事に平らげ、Yさんをびっくりさせました。
 その後のドライブでも悠平は静かに過ごし、君津駅での別れ際にはわたしから促されながらも「お世話になりました。ありがとうございました」とお礼もきちんと言えました。電車に乗ってから「楽しかった?」と聞くと「楽しかった」。「Yさんは怖くなかった?」「怖くない」「また一緒にドライブに行く?」「行きます!」と、言葉数は多くはありませんでしたが、本当に初対面のYさんと一緒でも苦にならなかったようでした。
 その1週間後、今度はYさんのほか沖縄から来たTさん(女性)、広島から来たGさん(男性)とわたしたち父子の計5人でグループ行動。ちょうど満開の上野公園の桜を見て、浅草で昼食を取りました。店選びで悠平は少しぐずりましたが、ほかは通常モード。「父がいつもお世話になっています」の初対面のあいさつも板についてきた観がありました。そば屋での昼食では、Tさん、Yさんからエビ天を1本ずつ分けていただき、わたしが促すと「ありがとう」とお礼も。グループ行動をつつがなくこなしました。

 悠平はこれから長じるにつれ、わたしやyuheimamaがいないところでも、初対面の大人と顔を合わす機会が出てくるでしょう。人と人とが関わりをもつときに、ささやかなひと言であっても「こんにちは、はじめまして」と言葉を交わすことができれば、その後のコミュニケーションの可能性も広がるのだろうと思います。ただ、だれかれ構わず声を掛けていくとなると迷惑かもしれません。その辺の兼ね合いをどうやって悠平に教えていくかは、かなり難度が高い課題になりそうです。その意味でも、社会で自閉症への理解が進んで行けば、その分、自閉症児者とそうでない人たちとの相互理解も進むと思います。そうなることを願っています。

 

 ちなみに君津のラーメンの味は最高でした。お店の住所は正確には木更津市内になるのですが、かつては君津製鉄所関係の社宅が立ち並んでいた地域でした。九州ラーメンは豚骨で取った濃い白濁スープが特長ですが、実は九州、さらには福岡県内でも地域によって違いがあります。東京の九州ラーメン店では脂っこいスープの博多流の店が多いように感じるのですが、わたしが生まれ育った北九州近辺では豚骨ながらもさほど脂っこくはないのが主流だったように思います。今回訪ねた店のラーメンは、その昔に北九州でよく食べたラーメンそのままの味。博多風の「替え玉」(スープを残せば、そこにおかわりの麺を入れてもらえる)がなく大盛りの注文ができるのも北九州風でした。

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※九州ラーメンの左は高菜漬けごはん

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※悠平はチャーハンでした

ブログ年譜2

※以下の「ブログ年譜」の続きです

http://yuheipapa.hatenablog.com/entry/20091230/1262218394

 

▽2017年7月2日 「はてなブログ」に移転しました
 7月1日に「はてなダイアリー」から「はてなブログ」に移転しました。7月1日午前0時現在の総アクセス数(PV)は112万9964件、延べユニークユーザー(UU)は48万7394人でした。この数値をはてなカウンターから引き継ぎます。

▽2017年10月1日
 はてなブログに移行後のブログ内カウンターによる総アクセス数(PV)は10月1日0時現在、44274件でした。通算で117万4238件です。
▽2018年1月1日
 はてなブログに移行後のブログ内カウンターによる総アクセス数(PV)は1月1日0時現在、73510件でした。通算で120万3474件です。
▽2018年4月1日
 はてなブログに移行後のブログ内カウンターによる総アクセス数(PV)は4月1日0時現在、11万0123件でした。通算で124万0087件です。

春休みは映画に初カラオケ!

  妻(yuheimama)です。先週末、悠平は小5の修了式を終え、春休み真っ最中です。休み中、週2回の放課後等デイサービスやクリニックのOT(作業療法)予約がありますが、特に予定のない日もあります。これまで、夏休みなどの長期休みには、こうした予定のない日をどのように過ごすかがなかなか難題だったのですが、この春休みは悠平がカレンダーを見ながら自分で予定を(勝手に?)発表しています。

  まずは長期休み恒例の映画です。現在放送中の『仮面ライダービルド』の映画を観たがっていたのですが、新作は夏休み公開とのこと。それを知ると一瞬、固まってしまいましたが、泣くこともなく、さっさと気持ちを切り替えて「じゃあ、ウルトラマンにするよ」と作品変更。『ウルトラマン・ジード つなぐぜ願いを』を観に行きました。私はウルトラマンといえばタロウやセブンの世代。今のウルトラマンは、仮面ライダー同様、いろいろなフォームにバージョンアップしていくので、あっけにとられながら観ていましたが、悠平は満足したようでした。

  次なるイベントはカラオケです。昨年のクリスマスに三浦大知さんのCD『EXCITE』を手にしてから、悠平は「カラオケに行く」と張り切っていました。冬休み中は風邪を引いて行くことができず、その代わり「春休みに行くよ」と宣言していました。私自身、カラオケボックスはかれこれ15年ほどご無沙汰。最近のカラオケ事情が分からなかったので、ネットで何件か調べたところ、1人20分100円という格安カラオケを見つけました。たぶん1時間は持たないだろうと思い、40分で申し込み(→2人で400円!)。悠平は『EXCITE』のほか、仮面ライダービルド、戦隊ヒーロー、ウルトラマン、妖怪ウォッチの主題歌やエンディング・テーマを歌いました。音程はともかく、真面目な顔で心を込めて歌っている様子。一番、音程が合っていたウルトラマンを歌った後に「上手だったね」と声を掛けると、「一番得意なのさ」と返され、笑ってしまいました。悠平、大満足でカラオケボックスを後にし、「夏休みは~」とさっそく次回に歌いたい曲をリストアップしていました。

  カラオケというレジャーが一つ増え、長期休みの恒例イベントになる予感。「将来、お友達と行けるようになるのかしら、それともヘルパーさんと?」…いずれにせよ、少しずつ悠平自身の世界を広げられるよう後押ししていきたいと、帰りのバスの中で考えました。

2つの関係~「視点の置き換え」の問題

 妻(yuheimama)です。以前のエントリーで、悠平は2種類の絵図が示されると、その関係が把握できないようだと書きました(「繰り上がりの足し算――認知特性に合わせた学び方」を参照ください)。この「2つの関係」への理解の困難は、その後の学習においても、生活においても、悠平の言動を理解する上でキーになっています。

 算数では、繰り上がりの足し算に続いて繰り下がりの引き算を学習し、簡単な文章題にも取り組んでいます。足し算の文章題はスムーズにこなしましたが、引き算の文章題では特定のタイプの問題に引っかかっています。引き算の文章題には、ある数の集まりから幾つかを取り除いた数を求める「求残」と、2つの集まりの数の違いを求める「求差」があります。
求残の例:ケーキが3個あります。1個食べると、残りは何個になりますか?
求差の例:女の子が3人、男の子が1人います。女の子は男の子より、何人多いですか?
→いずれも3-1=2で答えは2(個/人)。
 悠平は、求残は分かるのですが、求差が分かりません。「あぁ、2つの関係が把握できないのだな」と思いました。この認知特性はすぐには変わらないと思ったので、一通り説明だけして、求差の文章題はペンディング。次の項目に移ることにしました。

 国語では、2人の間の視点の置き換え問題が難題です。視点の置き換えとは、一つの行為が立場によって異なる表現になることです。例えば、「あげる/もらう」「ほめる/ほめられる」「さそう/さそわれる」などです。悠平は学校で行ったアセスメント「NC-プログラム」でも受身表現で引っかかっていました。家庭では私と2人でロールプレイをして、理解を促していますが、「2つの関係」理解の困難に原因があるのは間違いないように思います。

 日常生活では、例えば病院で予約の時間を過ぎてもなかなか呼ばれず、20~30分後に呼ばれると、悠平は診察に室に入るなり「遅くなってごめんなさい」と謝ってしまいます。自分が待たされたのに、待たせたのか待たされたのか、立場・関係が把握できていないようです。仮にそれが障害特性・認知特性だと分かっていても、待たせた側にとっては「ごめんなさい」と謝られると、バツが悪く感じたり、謝罪を強要されているようで不快に感じるのでは気にかかります。

 自閉症では、自分の考えと他人の考えに違いがあることを理解する「心の理論」の獲得に困難があるといいます(「心の理論」については、「自閉の本丸――世界自閉症啓発デーに寄せて」を参照ください)。言い換えれば、二人称を想定できずに常に一人称で物事を捉えて生活しているということでしょうか。今後も学習面・生活面で悠平がつまずいたとき、つまずきの根幹がどこにあるのか考えながら、アプローチの仕方を探っていこうと思います。

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 yuheipapaです。
 3月11日の日曜日、東京は午後から晴れ、温かい春の陽気になりました。悠平と一緒に大田区の池上本門寺をお参りし、近くの池上梅園を訪ねました。
 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から7年の日。本門寺では追悼の法要が行われていました。大震災の発生時刻の午後2時46分に合わせて、悠平と一緒に本堂で手を合わせました。
 あの日、わたしたち一家はわたしの転勤で東京から大阪府高槻市に転居して間もなくでした。悠平は4月から幼稚園の年中組に入るという時期でした。慣れない初めての関西暮らしの中で、被災地で自閉や知的障害の方々や家族の苦労はいかばかりか、と思いをはせていました。悠平は7年前のことをどれだけ覚えているか、理解できているかは分かりませんが、本門寺で手を合わせた後、東北で大きな地震があったこと、大勢の方が亡くなったことを改めて説明し、今、生きていることに感謝しようね、と話しました。
 梅園は白梅は見ごろが過ぎたようでしたが、青空に映えるピンク色の花が、そこかしこで見ごろを迎えていました。悠平はわたしと一緒にあちこち回り、今では花を楽しむようになってきました。帰り際、「きょうは何が一番楽しかったですか」と尋ねると、元気よく「梅!」と答えました。

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