夏休み2019 その2 変わりダネのバスを満喫

 yuheipapaです。

 悠平は幼児のころからバスが大好きです。この夏休み、日光ではチンチン電車を模した変わりダネのバスに乗りました。ついでに、というわけでもないのですが、以前から悠平と「乗ってみようか」と話していた水陸両用バスと、屋根のない2階建てオープンバスにも乗ってみました。

 ▼水陸両用バス
 ネットで検索したところ、水陸両用バスは東京では2社が運行しているようです。このうち、お台場をドライブした後に海に入り、レインボーブリッジをくぐる「TOKYO NO KABA」にしました。
 車体が大きく、形状が変わっているので、地上を走っていると道行く人が手を振ってくれます。スロープを下って海に入ると、盛大な水しぶき。ふだん見られない海上からのレインボーブリッジや東京の街並みを楽しみました。
 ガイドの女性もトークが巧みで、「もう宿題は終わりましたか」と話しかけられた悠平は、ウソか本当か「終わりました!」と大きな声で返事。1時間弱のドライブとクルーズでしたが、たっぷり楽しみました。
 ※「TOKYO NO KABA」 http://www.kaba-bus.com/tokyo/

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 ▼オープンバス
 2階建てオープンバスに乗ったのは夏休み最後の週末でした。観光施設などでバスを降りて見学の後、○○時に集合という観光バスでは、悠平はスケジュールに合わせて行動できるか分かりません。都心からお台場への1時間のドライブだけで途中の観光がない、はとバスのオープンバスにしました。
 午前中の便を予約したのですが、乗車したころには日差しがじりじりと照り付けてきました。熱中症にならないよう、こまめにペットボトルのお茶で水分を補給しながら、悠平と一緒に車窓の風景を楽しみました。

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夏休み2019 その1 SL「大樹」と日光

 yuheipapaです。
 勤務先で新規部署の立ち上げを担当し、長期的な予定が立ちにくかったこともあって、ことしの夏休みは、岩手への墓参を始め泊まりがけの家族旅行は控えました。わたしが休みの日は、悠平と2人であちこち出かけましたが、旅行がない分、なるべく悠平の希望を聞くようにしました。悠平のリクエストは乗り物中心なのは、中学生になっても変わりません。
 夏休み最後の夜、夕食を食べながら「夏休みは楽しかったよ」と言う悠平に、何が楽しかったかベスト3を聞いてみました。1番は、東武鉄道が栃木県・日光で運行しているSL「大樹」に乗ったこと、2番目は東京のお台場で乗った水陸両用バス、3番目は東京・はとバスの2階建てオープンバスとのことでした。
 ことしも絵日記風に夏休みの思い出を書きとめておきます。

▼SL「大樹」と日光の日帰り旅行
 東武鉄道が栃木県の下今市~鬼怒川温泉間で運行しているSL「大樹」は、わたしと悠平の間では数年来の“懸案”でした。家族旅行は控えることにしましたが、多少は夏休みらしいことも、と考え、思い切って2人で日帰りで行くことにしました。悠平は大喜びでしたが、SLに加えて、まだ乗ったことがない特急車両の「リバティ」を往復のいずれかに組み込むようリクエストしてきました。
 わたしはと言えば、せっかく鬼怒川温泉まで行くのだから、少し足を伸ばして日光の世界遺産の社寺も見たいと思いました。日光には5年前の夏にyuheimamaも一緒に家族で出かけていますが、そのときは東照宮の陽明門が修理中で見ることができませんでした。この機会に、と思いました。
 列車ダイヤや接続バスなどを調べ、悠平と交渉しながら旅程を検討した結果、東武線の浅草を朝7時の特急「リバティ」で出発する強行軍になりました。朝5時に起きて、家を出たのは5時半。夕食は帰りの特急の中で弁当を食べ、帰宅は夜の8時すぎでした。へとへとになりましたが、悠平は限定運行のバスも含めて乗りたかった乗り物に乗ることができて満足。帰路、幕の内弁当を広げて、好きなテレビの旅番組の真似をして「きょうの旅のごほうびはこのお弁当だね」とうれしそうに話すのを見て、笑ってしまいました。以下に、写真で振り返ります。

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 下今市駅に入線したSL「大樹」。ちょうど運行開始から2年で、いつもとは違ったデザインのヘッドマークを付けていました。鬼怒川温泉駅までは30分の小旅行でした。

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 浅草駅から下今市駅まで乗った特急「リバティ」。浅草を朝の7時に出ましたが、驚いたことに座席はほとんど埋まっていました。

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 SLは鬼怒川温泉駅に着くと、いったん客車から切り離され転車台で向きを変えます。まじかで見学できるショータイムです。

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 鬼怒川温泉駅から日光の東照宮など世界遺産の地域までは、かつて日光市内を走っていたチンチン電車を模した特別バスで移動しました。このバスも悠平が乗りたがっていた乗り物の一つです。

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 東照宮の近くで降りた後、発車するバスを撮影する悠平。バスの後ろ姿には強いこだわりがあります。

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 お昼に食べた冷やしゆばそば。海苔の下に見える茶色のものがゆばです。悠平は初めて口にしたようですが、「おいしい!」と気に入ったようでした。

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 東照宮の陽明門。東照宮は東京都心の通勤電車並みの混雑ぶりでした。

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 東照宮から徒歩10分ほどの輪王寺・大猷院の二天門。徳川三代目将軍家光の墓所です。東照宮の混雑がうそのように、拝観客もまばらで静かでした。

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 帰りは東武日光駅から、JR乗り入れの新宿行き特急でした(いちばん手前の車両)。隣りにリバティ、その向こうにスペーシア。日光を走る特急車両が勢ぞろいで、悠平もわたしもちょっと興奮しました。

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 悠平の夕食の弁当。日光らしく、ゆば入りでした。悠平はタマゴが苦手ですが、この錦糸卵は「おいしい」と食べてしまいました。

 

 次回は水陸両用バスとオープンバスです。

音楽が好き!

   妻(yuheimama)です。以前にも紹介しましたが、悠平は「仮面ライダー エグゼイド」の主題歌「EXITE」を聞いて以来、三浦大知さんのファンです。

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 三浦大知さんが出演する音楽番組を観るようになり、年末には紅白歌合戦も観ました。その後、三浦大知さんが出演していなくても「紅白出場歌手が出る」と言っては、音楽番組を録画して繰り返し観るようになりました。紅白ではJ-POPからロック、演歌まで幅広いジャンルの歌手が出場するためか、悠平は、私が自分からは聴かないような演歌も聴いています。先入観なく、気に入った曲を聴いているといえばその通りなのでしょうが、ティーンエージャーが好みそうな「〇〇〇48」等はリモコン操作でバンバン飛ばして、大御所の演歌に見入っている様子は何とも不思議。演歌は比較的スローテンポだから分かりやすいのかとも思いましたが、カラオケで思いっきり大人向けの歌詞を歌う悠平を見ると、若干、冷や汗が…。

 今のところ、「一番好きな歌手は誰?」と尋ねると、やはり「三浦大知さん!」と答えます。さらに「じゃあ、二番目は?」と聞くと、演歌歌手かと思いきや、音楽番組で知った「MAN WITH A MISSION」と答えます。MAN WITH A MISSION(マン ウィズ ア ミッション)は、メンバー全員がオオカミの被り物をしたロックバンドで、音楽そのものより、その見た目が好きなんだろうなぁと推測。 

Remember Me

Remember Me

 

  悠平は夏の盛りに、「MAN WITH A MISSION、今度、紅白に出るといいね」と早くも年末に思いをはせています。演歌でもロックでも、余暇の楽しみがまた一つ広がったことを母はうれしく思っています。

初心に返った夏休みの学習

 妻(yuheimama)です。今年の夏休みの学習は2本立て。週3回の放課後等デイサービスで、学校の宿題プリントに取り組むことで1学期の復習を。週3回の家庭学習で、四谷学院療育55段階の教材を中心とした新しい学習を進めています(療育55段階については「夏休みの家庭療育&家庭学習」を参照ください)。

 悠平に新しい内容を教えるとき、本人が興味を持ってスーッと頭に入っていく場合と、自閉症の認知特性から、教え方をあれこれと工夫しないと理解が進まない場合があります。また、どうにも苦手な領域というのもあって、私自身が手詰まりになったときや、本人の理解度が達していないと判断したときには、しばらく時間をおいて再チャレンジすることがあります。この夏、スーッと頭に入るとまではいかないものの、本人が楽しみながら学習しているのが掛け算。しばらく時間をおいての再チャレンジで、かつての取り組みとは変化がみられたのが迷路でした。

 書字が遅かった悠平は、運筆と目と手の協応課題として小学部3~4年のころ、ドリル形式の公文の迷路に取り組んでいました。易しいものから始め、後半は乗り物好きなこともあり、「めいろあそび のりもの」にチャレンジ。公文の教材は少しずつ難易度を上げていくスモール・ステップの構成で知られていますが、このスモール・ステップはあくまで健常児基準。知的障害児にとっては1枚1枚が結構大きなステップである場合もあります。当時の悠平にとって、「めいろあそび のりもの」の後半は歯が立たず、一緒に復習しても、次にはまた迷路の壁を突き破ってゴールするという荒業が続いたため、お蔵入りしていました。 

めいろあそび のりもの (めいろ 6)

めいろあそび のりもの (めいろ 6)

 

  先日、夏休みを前に小学部時代の教材を整理していたところ、後半1/3ほどが残った「めいろあそび のりもの」を発掘。試しに1枚、課題として出してみました。すると、悠平は荒業なしにスルスルスルッとゴールしてしまいました。さらに「もっとやりたい」と言って、2枚目も。この様子を目にして、スキルを身に着けるにはトレーニングが必要だけど、できないときには躍起になって繰り返すより、少し時間を置くことも大切だと改めて思いました。おそらく悠平は迷路ではない別のトレーニングで、迷路を解くのに必要な能力を獲得してきたのだろうと思います。

 それでも、難易度が上がってくると、スムーズにゴールできないこともあります。以前は行き止まりに入り込むと、イライラしたり、壁を突き破って無理やりゴールしていましたが、今夏は行き止まりになると「あぁ~」と悲嘆にくれながらも、別の道を探すために戻ってみるという「試行錯誤」をしたり、「どうしたらいい?」と支援要求を出すようになりました。課題をこなすスキルとともに、試行錯誤や支援要求といった以前にはみられなかった姿勢も獲得してきたのだと、成長を感しました。

 そもそも迷路をはじめとして、療育は目的ではなく、発達を促すための手段。壁にぶつかると「これが限界なのかも」と頭をよぎることもありますが、そんなときは別の手段を試すべし。初心に返った気持ちになりましたが、「3×3=7」と毎日、間違えられると、やっぱりトレーニングも大切だと思うのでした…。

2回目の美容院~ヘアスタイルにリクエストも!

 妻(yuheimama)です。7月20日から夏休みがスタートしました。今年は週に3回、放課後等デイサービスに通所できるようになったので、これまでに比べ、母としてはグッと楽になりました。隔世の感です(小1のとき、あっという間に放デイを辞めた経緯は「あぁ、幻の放課後デイ」を参照ください)。さらに最近では、通所のない日には悠平の方から「映画に行く」「カラオケに行く」など希望を言ってくるので、私が血眼になって行き場を求め、情報収集することも減りました。先日は、通所のない日に美容院に行きました。

 5月に初めて行ったときには、やや緊張気味でしたが(「イケメン目指して美容院デビュー」を参照ください)、今回は「また、お兄さんに切ってもらう」と意欲的。美容院に入るなり、「よろしくお願いします!」と元気に挨拶して、席に着きました。悠平には今回、前髪を短くしたいというリクエストがありました。

 テレビの旅番組が好きな悠平は、俳優の火野正平さんが自転車で旅をするNHK-BS「にっぽん縦断こころ旅」のファン。火野正平さんがいつも帽子を被って、前髪が見えなくなっている状態を見て(そもそもスキンヘッド?)、「前髪をなくしたい」と言い出しました。しかし、前髪だけを全部切るのは、おかしすぎ。「じゃあ、前髪をできるだけ短くして、似合うように髪を切ってもらおう」と言い聞かせてから、いざ美容院へ。どんなスタイルになるのやら。

 美容師さん、さすがプロ! 前髪をこれまでの半分くらいの長さにして、こざっぱりと仕上げてくださいました。前回は30分程度でカットしてもらったのですが、今回はスタイルを変えるため、1時間近くかかりました。

カット開始はお昼の12時。
悠平「何時くらいまでかかりますか?」
美容師「うーん、3時」
悠平「長すぎますよ~。ムリ~」
美容師「早くやるには、協力し合わないと。僕も頑張るから、動かないように頑張って」

 こんな感じで、悠平が飽きそうになると「協力し合わなきゃ」と声を掛けてくださり、言われるたび悠平はムフフと笑って姿勢を正していました。

悠平「今、どこを切っていますか?」
美容師「(頭の左側に手を当て)この辺」
悠平「側頭部ですね」
美容師「正しい日本語だね~。側頭部とはなかなか言わないよね(笑)」

 ちなみにこの後、「じゃあ、頭頂部はどこ?」と質問されると、ちょっと迷っておでこを指してしまった悠平でした。悠平が美容院に慣れ、美容師さんにも悠平に慣れていただいて、高校生になったら一人でカットに行けるかな、とちょっと期待。でもその前に、シャンプー台でシャンプーをしてもらえるようにならないと。シャンプー台が倒れるにつれ、「ヤダ、怖い。やめる~」と声を上げつつ、いざシャンプーしてもらったら「気持ちいいです!」と大きな声を発するに違いないと、母はふんでいます。

七夕の願いごと

 妻(yuheimama)です。今日は七夕。先日、悠平は放課後等デイサービスで制作した短冊付きのうちわを持ち帰りました。短冊には願いごとが書かれていました。

 「自分で電話をかけられますように」

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願いごとは色鉛筆で薄く書かれていました

 ――5月上旬に学校の家庭訪問がありました。担任の先生が来宅され、悠平の中学部での課題の一つ、自宅―スクールバスバス停間の一人登下校について相談しました。その中で、一人で何かトラブルに見舞われたとき、家に電話ができることが必要とのお話がありました。悠平はまだ自分の携帯電話を持っておらず、自宅で親戚と電話しているときに、時々話をする程度の経験しかありません。そこで、自宅の固定電話でyuheipapaとの会話にチャレンジしたり、電話を使う機会をつくって慣らしていかなくてはと考えました。

 家庭訪問から数日後、今度は放課後デイでの個別面談がありました。放課後デイでは帰宅時、送迎車の中からスタッフが自宅に「もうすぐ到着します。ご準備お願いします」と電話連絡をくださいます。面談した児童発達管理者から、「その電話を悠平君にかけさせてみてはどうでしょう」という提案をいただきました。家庭訪問での話の内容も伝え、「グッド・タイミングです!」と、さっそくお願いすることにしました。

 1回目。電話が鳴り、私が出ると「もしもし、お母さん。もうすぐ到着します」と、名乗りもせずにいきなり本題に入ってしまいました。声変わりした低い声に、「オレオレ詐欺?」と思わなくもありません。次の通所日、電話を掛けるときは名乗るようにと伝えました。

 2回目。私が電話に出ると、悠平は「〇〇です」と、名字を名乗りました。間違ってはいないのですが、自宅に電話をかけて名字を名乗るのもいかがなものか。私は「悠くんも〇〇(名字)だけど、お家も〇〇だから、今度は悠平ですって言って」と伝えました。

 3回目。ついに「もしもし悠平です。もうすぐ到着します。ご準備お願いします」と言うことができました。スタッフのセリフをそのまま真似て、母に敬語を使うところはご愛敬。以後、家庭でもyuheipapaからの電話に出るなど、少しずつできることを増やしています。

 夏休みには、一人下校に備えて、GPS付きのキッズ携帯を探そうと思っています。すべての操作を悠平一人でこなし、電話と一人下校が実現するよう、母も七夕の夜に願います。