進路に迷う秋――特別支援学校か特別支援学級か

 妻(yuheimama)です。療育園での母子分離が午前1時間、午後1時間半弱になり、心身ともにだいぶ楽になってきました。悠平も慣れてきたのか、次にいつ戻ってくるかを確認すると分離もスムーズになり、分離中も落ち着いて過ごせるようになってきた模様。とはいえ、完全な母子分離にはもう少し時間がかかりそうです。こんな具合で、療育園への通園はまだ不安定なのですが、就学相談はスケジュール通りに進行しています。知的障害のある悠平の場合、選択肢は二つ。特別支援学校か校区の小学校の特別支援学級です。

 これまでの経過を振り返ると、悠平が療育園に転園した翌日、6月下旬に療育園主催の就学相談説明会がありました。ここでは教育委員会の方から支援学校と支援級の概要、これからの就学相談の流れを聞きました。それまで幼稚園の退園と療育園への転園でいっぱいいっぱいで、進路に関しては手つかずだった私にとってはありがたい説明会でした。

 その後、教育委員会に電話予約し、これまでの医療機関の受診歴や療育歴、身辺自立の状況などを書いた教育相談票を持参。その場で担当者と内容を確認し、進学先の希望を聞かれました。悠平の場合、その時点では「迷っています」とお話ししました。悠平が幼稚園に通っていたときは、地域の小学校の特別支援級で大丈夫なのではないかと漠然と思っていたのですが、登園拒否を経験したことで気持ちが大いに揺れたからです。

 大まかにいって支援学級のメリットは地域の子供(=定型発達児)との交流があり、さまざまな刺激を受けることができることで、デメリットは1クラスに児童が最大8人であるのに対して担任が1人であること、担任が特別支援教育の専門知識を持ち合わせていない場合もあることが挙げられます。一方、支援学校のメリットは人的に手厚く、施設設備が障害児向けに整っている点で、デメリットとしては地域の子供との交流が少ないことや、身辺自立等の生活力を重視するために学習レベルがどうしても低くなってしまうことが挙げられます。教育委員会の方も、支援学校・小学校の担当者の方も、実際の学校を見学し、よく話し合って決めることを勧めています。

 高槻市ではどちらの学校に行く場合でも、窓口は校区の小学校になっているため、まず8月に小学校へ教育相談票の内容確認と現在の悠平の様子を説明しに行き、9月には生育歴と医療機関の受診歴、療育歴の確認、最新の発達検査の提出に行きました。また、小学校の担当者が療育園を訪れ、悠平の生活を見学し、担任の先生への聞き取りも行われました。

 支援学校は、7月に療育園主催の学校見学会があったので夫婦で参加し、施設見学や教育方針・概要の説明を伺いました。9月には体験入学があり、悠平ははじめこそ校門に付き添いの療育園の先生がいるのを見て「いやいや」と固まってしまったのですが(解説=悠平にとって、療育園の先生は療育園にいてしかるべき存在なので、ほかの所にいるのはおかしなことなのです)、先生が「向こうで遊んだりお勉強したりできるよ」と校舎を指さすと、「おべんきょう!」と言って、嬉嬉として校舎に走っていきました(笑)。実際、大型遊具のあるホールで遊んだり、1年生の教室で朝の会に参加して、悠平は大張り切りでした。帰宅してからも「きょうはたのしかったね」と自分から言い出したので驚いたほどです。

 ただ、その日は2〜3年生の「ことば(国語にあたる教科)」の授業も見学させていただいたのですが、思っていた以上に初歩的な内容だったので「う〜ん」と心の中で唸ってしまいました。支援学校の先生に教科書や授業内容について質問すると、概要を教えてくださり、「学力を重視するなら地域の小学校へ」と言われました。支援学校の手厚さや充実した施設、悠平ののびのびした様子を見て、支援学校に大いに魅力を感じつつも、知的障害があっても「学ぶ楽しさ」も知ってほしい親としては悩ましいところです。

 今月中には小学校の支援級にも授業見学にいって、さらに検討をするつもりです。今月下旬には進学先の意向を固めなければなりません。悠平がどちらに行きたいか、その気持ちも大切にしながら、学校に一番何を求めるのかを思い定めて結論を出したいと思います。