じゃがいも、にんじん、豚肉

 妻(yuheimama)です。悠平は発音が不明瞭なことがあり、音読の練習を継続しています(「筋肉の省エネ」を参照ください)。学校から音読用のプリントを課題として出され、宿題として家庭で音読。1週間、同じプリントの音読を繰り返し、週の後半、それを基に読み取り問題として取り組んでいます。1週間繰り返し音読すると、つっかかりや発音不明瞭が改善され、だいぶスムーズに読めるようになるため、聞いている母は「分かってきてるんだな」と思いがちなのですが、いざ、学校で読み取り問題として取り組むと、なかなか全問正解とはいきません。 

 以前から、読解問題では5W1H(いつ、どこで、だれが等)等の情報を問題文から抜き出すことはできていたのですが、行間を想像したり、ストーリー・意味をイメージしないと回答できない問題は全滅に近い状態でした。これは自閉症の「想像力の困難」という障害特性に由来するものと思われ、悠平にとってはハードルの高い問題です。 

 先日、持ち帰った音読プリントでは食料品の買い物の様子が書かれていました。登場人物が買い物かごに入れていく食材は、じゃがいも、にんじん、豚肉300gでした。それらの食材で何を作るかまでは書いていなかったのですが、母はカレーか肉じゃがだろうと想像しました。そこで音読の後、母が「どんなお料理、作ると思う?」と尋ねてみると悠平は「うーん、野菜炒め」。「え!?」と思い、「野菜炒めにじゃがいもって入ってる?」と尋ねると、自信満々に「入っていない」と悠平。続けて「野菜炒めじゃなかったら、何だろうね」ともう一度尋ねると、「お好み焼き」との返答。悠平、食わず嫌いでお好み焼きを食べたことがないのに、なぜ、お好み焼き??? 「お好み焼きにもじゃがいもは入ってないから、また読んで考えてみようね」と、後日に持ち越しました。1日置いて再び「どんなお料理だと思う?」と尋ねると、今度は「みそ汁」との答え。「豚肉が入ったおみそ汁?」と母が聞くと、「うん、豚汁!」と笑顔です。悠平の変化球に、まぁ、豚汁もできるかもねと一瞬思ったものの、300gの豚肉が入った豚汁って一体何人分だろうと笑いをこらえた母でした…。 

 悠平の様子に、文字を音として読み上げることと、内容理解は同じではないことに気づかされました。読めているからといって、分かっているわけではないということを周りの大人、支援者は知っておく必要があります。大人になって、変な契約書にサインしなきゃいいけどと不安に感じつつ、今度、悠平とスーパーに行ったときには何を作るための材料かを話し合いながら買い物をした方がいいかななどと考えています。