買い物練習継続中

 妻(yuheimama)です。知的障害児者にとって、お金の理解・使い方は難しいものです。まず、何かを買うときにはお金を支払う必要があることの理解、紙幣や硬貨の種類と価値の理解、支払いには代金と同額以上のお金が必要であることの理解、さらにできれば、紙幣や硬貨を適切に組み合わせて支払うスキルが必要です。どこまで対応が可能かは人それぞれで、対応が難しい部分には支援が必要となります。

 悠平は昨年の夏休み、放課後等デイサービスでスーパーに昼食を買いに行き、代金706円のところ700円を出し、不足金額についてスタッフに助言していただきました。

 2カ月前に行った美容院では、代金を聞く前に、財布に入っていたお金を全部出して渡そうとしたので、まず代金を聞いてから支払い方を考えるように母が伝えました。悠平は、代金と同額以上のお金が必要であることの理解があやふやな場合があり、紙幣や硬貨の組み合わせには練習が必要な状態です。

 そこで夏休みの家庭学習で取り組んでいるのが、題して「リアルお買い物ごっこ」。久しぶりの手作り教材です。まず、宅配で頼んでいる食材のカタログから野菜や肉の価格付き写真を切り取ります。切り取った紙はそのまま使ってもよいのですが、ペラペラで扱いにくそうだったので、時々ポストに投函されている薄いマグネットに貼り付け、お菓子の缶の蓋にくっつけて並べました。

何を買うかのミッションは、カードに手書き。以前、読み取りの問題で「じゃがいも、にんじん、豚肉」で作る料理を尋ねたら、「野菜炒め」「お好み焼き」との答えが返ってきてびっくりしたので、今回はカードに「肉じゃが」「麻婆豆腐」「サラダ」等を書いて、必要な材料を考えて買うように指示しました。選んだ食材の代金は、悠平の目の前で、レジ代わりに電卓で計算。代金の支払いは子ども銀行の結構リアルなお金を使います。

 最初のミッションはサラダの材料。悠平、かぼちゃと鶏肉とトマトを選択。わざと選んだのかまじめに選んだのか母には判断がつかず、「お家のサラダにかぼちゃと鶏肉、入っている?」と尋ねると、「入ってなーい」とニヤ~としています。かぼちゃと鶏肉を戻して、レタスと大根を選びなおしました。母はレタス、きゅうり、トマトを想定していたのですが、大根サラダでもOKです。支払いには、2000円前後を紙幣と硬貨で用意。悠平は紙幣の枚数で迷うことはないのですが、硬貨が多すぎたり少なすぎたりしてしまいます。悠平は遊び感覚のこの課題がとても気に入ったようなので、硬貨の組み合わせに苦手意識を持たないように調整しながら続けていこうと思っています。

 そして支払い実践編。今月、美容院に行った際、再び支払いにチャレンジ。カット料金が税込み3520円だと分かっていたので、悠平の財布には1000円札3枚と500円玉1枚、10円玉をあえて5枚入れ、確認させておきました。レジでまず代金を聞き、トレーに1000円札を3枚広げ、続いて500円玉、最後に「10円、20円」と数えながらぴったり支払うことができました。前回、有り金を全部出そうとしたことを覚えていたのか、レジに立っていた美容師さんも一緒になって「10円、20円」と声がけをしてくださいました!

 日常生活の中にある体験機会を大切に、これからも一つずつ、学習と体験を積み重ねていきたいと思います。