お弁当を買いに

 妻(yuheimama)です。緊急事態宣言が続く夏休み、旅行も墓参も控えて、ひたすら「日常」が続いています。悠平は週に3回、放課後等デイサービスに通所。学校が休みの日には午前中から行くので、いつもはお弁当を持参するのですが、今年は放デイからの提案で、何回か近所のスーパーにお弁当を買いに行くことになりました。社会生活を送る上で必要な練習、ソーシャルスキルトレーニングです。

 知的障害がある方の、お弁当にまつわるエピソードを幾つか聞いたことがあります。就労に向けたトレーニングを受けている方が、スーパーに昼食を買いに出かけたら、お刺身のパックを買ってきたとか、放デイからお弁当を買いに行ったら2000円のうな重を買ってきたというもの。お刺身もうな重も、もちろんいけないわけではないのですが、ちょっと珍しいというか、微妙な選択のような気もします。

 そんなわけでソーシャルスキルトレーニング。悠平は初回、何弁当を買ったのでしょう? 母はから揚げ弁当かとんかつ弁当だろうと踏んでいたのですが、帰宅後、尋ねてみたら「山賊焼き弁当」と、意外な答え。っていうか、山賊焼き弁当ってどんなの? 悠平によると鶏肉料理だったとのことで、ネットで検索してみると、山口県と長野県のご当地グルメであることが分かりました。悠平はから揚げや鶏の照り焼きが大好きなので、納得しました。

 我が家でも時々、スーパーでお弁当を買うことがありますが、親が一緒だと、悠平にどれがいいか選択こそさせるものの、あとは親がかごに入れて支払いをし、帰宅後、お弁当をテーブルに乗せ、無意識にふたまで開けて準備してしまうことがあり、振り返れば体験の機会を奪っていました。放デイでは、選択、支払いはもちろんのこと、蓋を開けるために輪ゴムやセロテープを自分で取って、食べ終わったら、ごみの処理まで自分でやることになります。些細な行為に見えますが、こうしたことも悠平にとっては体験学習です。

 障害のある子どもの場合、一人で外出したり、友達同士で遊びに出かけることが難しい場合が多いので、「体験」が圧倒的に不足しがちだと言われます。家庭と学校のほかに、「第三の居場所」としての放デイがあり、遊んだり、親から離れて生活に活きる体験ができることは貴重です。放デイのサポートを得て、この夏、さらに体験を積み重ねてほしいと思います。

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