馬肉も鯉もおいしかった~信州に家族で旅行

 yuheipapaです。
 11月の休日、家族3人で長野県の上田市から小諸市、佐久市へ1泊2日の旅行に出かけました。主な目的は、上田市にある「無言館」の見学でした。日中戦争や太平洋戦争で戦死したり戦病死した画学生の遺作を展示している私設の美術館です。訪ねる前に悠平には一通り、どんな人たちの作品を展示しているのか、説明しました。美術館ではわたしやyuheimamaと一緒に、静かに作品を一つひとつ見ていました。
※「無言館」
 https://mugonkan.jp/

 わたしもyuheimamaも、そして悠平も、作品を見ている間は無言でした。悠平なりに感じ取ったことがあるのではないかと思います。

 この旅行のもう一つの目的は信州の味巡りでした。
 長野への家族旅行は2回目。悠平は6年前の前回の旅行で、当時は小学生ながら馬肉のおいしさを覚えました。今回は鯉料理にもチャレンジしました。幼児期の偏食がうそのように、旅先では土地の名物を口にするようになっています。

 初日の昼食は馬肉うどんにしました。北陸新幹線で上田駅に午前中に到着。駅から徒歩数分のところに、地元でも有名な馬肉うどんの店があります。
 だしは馬肉だけというつゆは、かなり濃い色ですが、すすってみると甘みが強く、ちょっとほかでは味わえない、後を引くおいしさです。煮付けた具の馬肉もやわらかく、酒のつまみ、ご飯のおかずにもよさそうです。メニューには「肉皿」もありました。

【写真】悠平はうどん一杯では足りないだろうと思い、ミニ天丼とのセットを頼みました。てんぷらはエビとイカです

 山梨県富士吉田市の「吉田うどん」も具に馬肉をのせますが、麺はコシが強いのが特徴。上田のこのお店は麺が柔らかく、同じ馬肉うどんでも食感は対照的でした。
 メニューには「馬刺し」もあり、隣のテーブルに座った母子が馬肉うどんと一緒に注文。運ばれてきた馬刺しを、小学生ぐらいの男の子がおいしそうに食べていました。その顔が本当にうれしそうで、「ああそうか、こうやって故郷の味がしっかり舌に刻み込まれるのか」と思いました。わが家は、馬刺しは宿泊した別所温泉の旅館でいただきました。柔らかくて、悠平も満足そうでした。

 事前に検索して調べたところでは、上田駅近隣のいくつかのそば屋さんにも、馬肉を具にしたかけそばがあります。単に「肉そば」と呼んでいる店が多いようです。

※6年前の長野旅行です

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 2日目の昼食は、上田独特の「美味(おい)だれ」を試そうと思い、上田駅構内のから揚げ店にしました。すりおろした生ニンニクがたっぷり入った焼き鳥のたれです。焼き上がった焼き鳥の串をつまんで、このたれにくぐらせて食べるのだとか。
 今回の旅行では焼き鳥屋に行くのは難しかったので、同じたれをかけた「美味だれから揚げ」を食べてみたのですが…。やはりお酒、それもビールやサワーなどと一緒に楽しむのがいいようです。口の中から強烈なニンニクの刺激がなくなるまで、しばらくかかりました。から揚げは、さっくり揚がっていてとてもおいしかったです。

 2日目の夕食、この旅行最後の食事はちょっとした波乱がありました。
 午後は上田市を離れ、しなの鉄道で小諸市に移動。当初の計画では夕方、JR小海線で小諸から佐久市の新幹線停車駅、佐久平駅に行き、そば屋で夕食を取って東京に帰る予定でした。旅行初日の午後、目星を付けていたそば屋に予約を入れようとしたところ、既に予約を締め切っているので当日、来店順の案内になるとのこと。帰りの列車の時間があるので、行列に並ぶリスクは避けたいと考え、小諸で夕食も済ます計画に変更しました。
 小諸城址で紅葉を楽しみ、古民家カフェで3人それぞれにスイーツとそば茶でくつろいだりしながら、さてそろそろ早めの夕食をと、これも目星を付けていた駅前の郷土料理屋に向かったところ、まさかの休業。「ええっ!」と、焦る頭で選択肢を整理して、大急ぎで駅のホームに向かい、佐久方面に向かう列車に発車寸前、文字通り飛び乗りました。
 この旅行でもう一つ、試してみたかったのが鯉料理です。特に佐久市は食用の鯉の養殖が盛んで、きれいな水で育てるため味にクセもないとか。酢みそで食べるのが一般的な鯉の洗いも、佐久ではわさび醤油で食べるとのことです。市内には鯉料理が食べられる店がいくつもあり、評判がいい店をいくつかチェックしていました。佐久の鯉は次の機会にお預けと思っていたのですが、急きょ、“決行”することにしました。
 向かったのは、佐久平の四つ先の中込(なかごみ)駅。小海線を蒸気機関車が走っていたころは、機関区が置かれていた拠点駅です。古いながらも立派な駅舎に往時をしのぶことができます。その駅前にある食堂に入りました。
 ここは鯉のほかにもメニューが豊富で、悠平やyuheimamaには鯉以外の料理を、と思っていたのですが、悠平は敢然と「鯉を食べる」と宣言。選んだのは「鯉天丼」でした。わたしは鯉こくと鯉の洗いの定食にしました。yuheimamaは鍋焼きうどんにしたかったのですが、メニューにはあるもののこの日はやっていないとのことで、たぬきうどんになりました。これは誤算でした。

 鯉こくは、輪切りにした鯉をみそで煮た料理。みそ煮というほどは煮込んでおらず、言ってみれば鯉のみそ汁です。一口すすると、海の魚にはない、いい香りがしました。澄んだ水の匂いと言えばいいのか。人によっては川魚特有のクセと感じるかもしれません。特筆すべきは卵と内臓のおいしさです。臭みも苦みも全くなく、鯉料理のだいご味を楽しめました。
 悠平の鯉天丼は名前の通り、大ぶりの鯉の切り身の天ぷらをのせたどんぶり。この店には鯉のから揚げもありました。佐久でも鯉の天ぷら、から揚げは珍しいようです。悠平もわたしも、鯉を満喫しました。いずれ再訪したいと思うおいしさでした。その時は、鍋焼きうどんもやっていますように。

【駅でも鯉がお出迎え】

【おまけの写真】小諸の古民家カフェで。yuheimamaはそば粉のケーキ、悠平はそば粉シュークリーム、わたしは野沢菜のおやきを選びました。