SLに乗って、おいしい秩父の家族旅行

 yuheipapaです。
 この夏休み、8月中旬に家族で1泊旅行をしました。行動制限はかかっていないとは言え、東京の新型コロナウイルス感染者は連日2万人台の時期。なるべく近いところがいいだろうと考えつつ、せっかくだから何かイベント感をと、あれこれ考えて決めたのが埼玉県の秩父でした。メインのイベントは、秩父鉄道が運行する蒸気機関車(SL)牽引の列車「パレオエクスプレス」への乗車です。
 パレオエクスプレスは3月から12月の上旬、週末や祝日を中心に走っています。埼玉県の熊谷駅から秩父鉄道の終点、秩父市の三峰口駅までを1日1往復。今回は熊谷駅から乗って、景勝地で知られる長瀞駅まで、約1時間15分の旅でした。
 早起きして自宅を出て、JRで熊谷駅へ。秩父線の乗り場に着いたのは午前9時45分ごろで、ちょうどパレオエクスプレスが入線するところ。わたしは指定席券発行の列に並び、悠平はyuheimamaと一足先にホームへ。入線してくる列車を見ることができました。夏休み真っ最中とあって、座席はほぼ満席のよう。出発時刻まではホームで機関車を背に記念撮影する人たちが列を作っていました。
 ほどなく汽笛一声、熊谷駅を出発。座席は4両編成の客車のうち機関車のすぐ後ろの車両で、汽笛も迫力満点で聞こえてきました。客車は旧国鉄時代の製造で古めとはいえ空調完備。それでも時折、車内に流れてくる煙の匂いは、蒸気機関車が現役で走っていた時代を知るわたしにとっては、郷愁を誘う懐かしい香りです。北九州に住んでいた小学生のころ、コンパクトカメラを手に筑豊各地を走っていた蒸気機関車を追っかけていた鉄道ファンでした。
 牽引するC58形機関車は1938年から47年にかけて430両余りが製造されました。客車、貨車のいずれにも適した万能機で、各地のローカル線を中心に活躍。パレオエクスプレスを牽引する363号機は1972年にいったん廃車。埼玉県内の小学校に展示保存されていたのを、1988年に復活しました。
 わたしは長瀞までの間、ずっとそわそわしていましたが、悠平はと言えば、悠然と乗り心地を楽しんでいるようでした。これまでも、JR東日本の群馬県・SLぐんま、岩手県・SL銀河、栃木県の真岡鉄道・SL真岡号、東武鉄道・SL大樹、静岡県の大井川鉄道と、あちこちで悠平と一緒にSLに乗りましたが、思い起こすと、わたしの方が興奮気味で、悠平は乗ってしまえばいつも悠然としていたように思います。
 長瀞で下車後、駅の近くの踏切でパレオエクスプレスの発車を見送りました。

【長瀞駅を出発するパレオエクスプレス(悠平撮影)】

【熊谷駅で出発を待つパレオエクスプレス。記念撮影の人がいっぱい】

【わたし(yuheipapa)が好きな蒸気機関車のアングル】

【停車中も写真を撮る人がたくさん=長瀞駅】

 秩父での1泊2日は、いろいろとおいしいものを食べて回りました。
 わたしと悠平にとっては、かつて秩父三十四観音霊場の巡礼で何度も来ている地域です。二人の特にお気に入りは「みそポテト」。ジャガイモに衣をつけて揚げ、甘みのあるみそだれをかけて食べるスナックです。店によってみそだれの味に違いがあり、食べ比べも楽しい。今回は3カ所で食べました。串刺しではなく、皿に盛って出してくれる店もあります。

 豚の飼育が盛んな地域らしく、豚肉料理もおいしいものがあります。一つは味噌漬けにした豚肉を焼いてご飯に載せた丼もの。「豚味噌丼」などと呼ばれています。
 長瀞で目星をつけていた店が大正解で、炭火で焼いた豚肉がことのほかおいしく、初めて食べるyuheimamaも気に入ったようでした。ちなみにこの店の「豚みそ丼」は「大盛」「並」「小」とサイズが3種類。身長がわたしを追い越して久しい悠平が大盛、わたしは並、小柄なyuheimamaは小にしました。大盛となると大ぶりの肉が4枚も載って、なかなかの迫力ですが、悠平はなんなく完食しました。

【悠平が食べた大盛りの豚みそ丼】
 もう一つの豚肉料理は「わらじカツ丼」。わらじのような大きなトンカツを載せた丼ですが、卵とじにはしません。ソースカツ丼の系譜です。「わらじ」ということなので、カツは2枚載せるのが正統のようです。どこで食べてもおいしいのですが、体重減が課題のわたしは、トンカツ類は控えることにしています。今回の旅行では2日目、三峯神社にお参りした際に、参道にあるお店で昼食を取った際に悠平が食べました。わたしとyuheimamaは、これも秩父の郷土料理の「くるみそば」にしました。そばのつけ汁に、くるみをすりつぶして入れてあります。

【わらじカツ丼】
 秩父はそばもよく食べる土地柄です。わたしは悠平と一緒に何度も秩父に来ていて、しかも、そばも何度も食べているのですが、くるみそばは初めてでした。甘みがあって、そばによく合います。わたしもyuheimamaもすっかり気に入ってしまい、その日の夜、西武線の特急で帰る前に、ビン入りのくるみそばのツユを買い求めました。

【くるみそば】

 おいしいものをたくさん食べながら、長瀞町の宝登山神社、秩父市の秩父神社、三峯神社と「秩父三社」をお参りしたり、秩父市の市街地にある観音霊場の札所をいくつかお参りして巡礼気分をちょっと味わったり、棟方志功の版画を所蔵する美術館を訪ねたりと、充実した2日間の家族旅行でした。

【泊まった宿は高台にあり、秩父の街並みをパノラマのように楽しめました】

【おみやげに買った秩父市のキャラクター「ポテくまくん」】