こだわり・思い込みにはスルー

妻(yuheimama)です。先日、悠平の学校では年に一度のお楽しみ、レストラン学習が行われました。この学習は、公共の交通機関を利用して目的地まで行き、レストランで注文・食事をして、マナー等を学ぶという体験学習です。今回訪れたのは中華レストラン。悠平は餃子とご飯、オレンジジュースを注文しました。悠平はこの日を何日も前から楽しみにしていて、「餃子を食べます!」と上機嫌で臨みました。

帰宅後も「餃子、おいしかった」「楽しかった〜」と言っていたのですが、学校からの連絡帳に目を通すと、「帰りの電車で頑固になりました。→立ち直りました」との記載が…。これはきっと乗り物こだわりが出たんだろうなと予想。後日、担任の先生に話を伺ったところ、案の定、乗らなければならない電車が、悠平の乗りたい車両ではなかったことから「乗らない、乗らない!」と大騒ぎをしたとのことでした。

家族での移動でも同様のことが時々起こります。そんなときは乗らずに1本見送るか、無理やり乗せて「何が嫌なの?」と原因を探ってみたり、「降りるー!」と大声を出して扉から飛び出そうとするのを制止しようとつかまえたり、毎回、闘いになります。こうした自閉症特有の思い込みの強さやこだわりからくる言動については、これまで先生に連絡帳で伝えてきました。

今回の先生方の対応はというと、「この電車に乗ります」と言って乗車させ、あとは安全確保のため悠平の体をガードして、悠平が何を言っても取り合わなかったそうです。こんな「事件」を経て学校に戻ると、悠平は先生のもとへ行き、「さっきは意地悪しちゃってごめんなさい」と自首。先生は「あれは意地悪ではなく、わがままです」とぴしゃりと返したそうです。先生いはく、「悠くん、自分でも分かってるんですよ。あれはパニックではありません」とのこと。「大変だと思いますが、安全確保をして、あまり取り合わないようにしてみてください」とのアドバイスがありました。

数日後、家庭学習中に国語の問題で間違えたので、説明をしようとしたところ、自分の思い込みを否定されたと思ったのか、またも大声を出されました。そこで試しに、悠平の反応を取り合わずに次の問題に移りました。類似した問題だったので、最初に私がヒントを出してから取り組ませたところ、スムーズに回答。全ての問題に正答した後に、最初に間違えた問題に再び戻ったところ、何事もなかったかのようにすんなり正答できました。

公衆の面前で大声を出されると、ついこちらも過剰反応しがちですが、スルーするのもテクニックだなと思いました。悠平自身、分かっているのに騒いでしまうのは苦しいはず。本人が体験を積みかさねて自力で対応できるようになるまで、ひるまず、焦らず見守っていこうと思いを新たにしました。