どうしても覚えられないこと

 妻(yuheimama)です。悠平が通う特別支援学校では、6月から分散登校が始まり、放デイへの通所も再開しました。悠平、楽しそうです。学校・放デイのおかげで、家庭学習もようやくペースダウン。少し時間ができたところで、今回は休校中の家庭学習を通して気付いたことを書き留めたいと思います。

 家庭学習では、国語、算数を中心に、理科、社会の基礎的な学習にも取り組みました。特別支援学校には理科、社会という科目はなく、机上の学習よりも、例えば植物を栽培して成長を記録するなど、実技が中心となっています。家庭では、学校で取り組んだ学習の復習に加え、普通校の理科、社会で扱う内容の基礎、知っていると役立ちそうな内容も取り上げてみました。理科では、動植物の成長の様子や太陽と影の関係、磁石や電池の扱い方、体の部位や内臓の名称など。社会では、標識や地図記号、方角、世界地図などです。これらの中で、何度やってもいっこうに覚えられない領域がありました。

 その1、内臓。内臓は普段、見えないものなので、イメージしにくいとは思うのですが、絵本や人体図などでは目にしています。なぜか大腸と小腸だけは早々に覚えたのですが、毎回のように腎臓を心臓と答えたり、肝臓と答えてしまいます。胸に手を当てさせ、「ドキドキしているのが心臓だよ」と教えても、発音が似ているからか、取り違えています。

 その2、世界地図。すべての国を覚える必要はないと思うのですが、近隣諸国やテレビ等で耳にする幾つかの国名と、例えば、フランスは欧州といったおよその位置・エリアを知っていれば、情報や会話の理解も進むだろうと思うのですが、これがなかなか…。日本がどこかは分かるのですが、「オーストラリアは日本の南の方にあるよ」とヒントを出すと、アルゼンチンや南アフリカを指してしまいます。

 内臓にせよ、世界地図にせよ、今すぐ覚える必要はなく、まずは名称に慣れ、そのうち覚えられればよいとは思っているのですが、それにしても5回、10回繰り返してもどうして覚えられないのだろうと考えてしまいました。自分が子どものころ、暗記が必要な内容をどうやって覚えたのかと思い出すと、テストに備えなくちゃという動機付けがあって取り組んでいたように思います。悠平にはそういう動機付けがないため、自分が興味のない内容は、ただ漫然と流しているのだろうと思えてきました。

 自閉症児者は言語理解が弱い一方、視覚認知力が高いといわれ、確かに悠平は小さい頃から、教えなくてもパソコンやテレビのリモコン操作の手順を目で見て覚えていました。では、何でも目力で覚えられるのかというと、どうも違うようです。人体図も世界地図も、興味のないものはスルー…。今しばらくは学習の中で興味・関心の種を蒔き、いずれ芽を出す日が来るように水やりを忘れないようにしていこうと思います。